NPO法人 艮陵協議会

後期研修

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いつまでマニュアル診療を続けるつもりですか?
病院にとって非常に都合のいい先生。医師であり医学者であれ!

現在の初期研修制度では、初期研修のみに厚生労働省の意図が反映され、後期研修について国は全くの無策です。要するに現在の初期研修医達はこの初期研修制度に踊らされ、気がつくと将来の医師としてのキャリアプランも自己教育制度も何もないのです。このような5年間の中で、安易に初期研修病院の居心地よさや住環境として都会の魅力に甘んじて初期研修後そのまま後期研修に入る人達が少なくありません。

専門医取得が目的であると言えば聞こえはいいでしょう。しかし、冷静に考えるとこのことには、病院側の多くの「打算あるいは医師としての利用しやすさ・都合のよさ」が隠れています。病院としては、後期研修医になり初めて一人当直をしてもらえるし、臨床手技も若い医師のほうがずっとうまくやれ、しばらくはやる気もある、病院の職員としても初期研修から意識付けをしていることで職員としての意向が伝わりやすく、医局派遣の医師よりも反発が少ないため扱いやすい、更に学位をもたないことから出世させる必要もなく、年をとっても平の医師として扱えるなどです。

同じ病院で3年目・4年目になるとスタッフの信頼もでてきて、手技もうまくなり充実感を味わえます、がマニュアル以上の何かをあなたは有していますか?患者さんの質問に的確に答えられますか?たまに会ったり聞いたりするスペシャリストは貴方に何をしてくれますか?

「それは、マニュアルでこう決まっていますから」と答えることに自分の浅さを感じませんか?教科書の元になっている英語論文を理解して読むことが出来ますか?

貴方が後期研修に入ってその後も後輩が毎年入ってきます。彼らは貴方よりも若い体力と新しい教育を受けています。同じ施設であれば、差はありません。貴方の学年が上なだけです。若い彼らに刺激的な知識を分けるとこが出来ますか?そんなことを上司に相談したら「気にしなくていいんだよ・先生は手技もうまいしみんなの人気も高いんだから」と言われますが、良く考えると上司は生え抜きではないのではありませんか?そのうちどこぞの大学病院の前講師・前准教授がいつの間にか貴方の上司になっています。何人かの医師を大学から連れてきました。生え抜きの貴方は、年とともに給料は若干上がりますが淡々と同じ日々が繰り返されていき、また何も知らされないうちに上司が変わっています。そのうち、上司より貴方は年が上になります・・・。

小さい自分に気づいて自分の力を持て!そのために人にもまれる苦労がいる!

東北大と名古屋大で40年ほど前から始められていた臨床研修の関連病院とのマッチングシステムでは、大学卒業後に大学病院に残る研修医はほぼ皆無でした。ジェネラルな臨床経験を十分に身につけることを目的に地域医療を担う地域の拠点病院に行って、不眠不休で地域医療の一線に立っていました。内科でいうと研修2年~3年の間に1000例を越える内視鏡検査を経験し、外科でいうと500例に近い虫垂炎の術者の経験をつみ胃がんの手術をオペレートしてくる研修医もめずらしくありませんでした。

このように非常に豊かな臨床経験を積んだ後で、更に自身の医師として医学者としての研鑽を積むために、興味のある東北大学の医局に入ってきているのです。あるものは臨床を磨き、あるものは大学院にすすみ臨床・基礎研究を行い医師としての懐を深めていきました。医局のカンファレンスでマニュアル通りに話しても全く相手にされず、医師同士の質問にもさっぱり答えられません。質問の意味さえ分かりません。この悔しさが医師としての自分を目覚めさせるのです。この時期を大学で過ごすことで、スペシャリストと出会い臨床研究・基礎研究の奥深さに触れ、自身の未熟さに気づき、研修時代のマニュアル診療では得られることができない貴重な経験をすることで、より深みのある臨床をすることが出来るようになり立派な科長候補として育っていくことができます。患者さんに自分の言葉で話せる時がきます。

「大学医学部」と聞いて、嫌なイメージを持つ人が多いのは当たり前です。それは「大学に使われる」と思うからです。今時の人達は「大学を利用する」ことを考えればいいのです。医師として医学者としての修練を行う場であるのです。一人前になったら行き先は、自分で考えて下さい。これが東北大学のスタンスです。宛てがなければ紹介します。

少しでも、後期研修について興味あるいは質問があるかたは、お気軽にお問い合わせ下さい。臨床研修でも大学院に関してでも、適切な診療科から責任を持ってお返事をさし上げます。実際の入局うんぬんはご自身の目でお確かめになってからで結構です。

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